PCR検査は昔からある検査方法で、もともとは研究で用いられていた実験手法です。生物やウイルスを形作っているDNAやRNAをコピーして量を増やすことで、研究に用いられてきました。新型コロナウイルスを形作るRNAをコピーして量を増やすことができ、実験の手法を臨床の検査として利用したものが、PCR検査となります。
PCR検査を簡単に説明します。PCR検査は、あるものを増やしていく検査方法です。新型コロナウイルスのPCR検査では、新型コロナウイルスを形作るRNAというものを増やしていきます。
RNAをりんごに置き換えて説明します。下記の図の通りなのですが、りんご1個をどんどんコピーして増やしていくとします。1回コピーすると2個に、2回コピーすると4個になって、3回コピーすると8個になります。たった3回のコピーで1個が8個になるのです。
Setolabo衛生検査所では、このコピーを45回行います。つまり1つのりんごを45回もコピーし続けることで、相当な数のりんごができることになります。
つまり、簡単な言葉で表すと、新型コロナウイルスのPCR検査では、新型コロナウイルスが採取した唾液サンプルの中にたった1個しかなったとしても、コピーをたくさんする(つまり、PCR検査をする)ことで、たくさんの新型コロナウイルスが増えるので、PCR検査終了後には、その唾液中にはたくさんのウイルスが存在することになり、陽性と判断することができます。
PCR検査のメリット
PCR検査のメリットは少ない新型コロナウイルスの量でも、十分に検出が可能であるということです。症状の有無によらず感染が不安なときは、PCR検査がおすすめです。
PCR検査のデメリット
検査は衛生検査所で実施します。そのため、衛生検査所まで輸送するのに時間がかかるために、結果を知るまでに時間がかかることです。Setolabo衛生検査所は全て当日に検査を実施しているので、全国の中でも類をみないほど早いスピードで検査を実施していますが、それでもその場で検査結果のわかる抗原検査キットには到底スピードはかないません。そのほか、治療後もいわゆる死骸のようなものが検出されるので、一度陽性患者となるとPCR検査で陰性になるまでには最大3ヶ月かかります。